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【C#】超簡単なクラスとインスタンスの説明

C#

C#は、オブジェクト指向プログラミング言語であり、クラスとインスタンスの概念が重要な役割を果たします。本記事では、C#のクラスとインスタンスとは何か、その作成方法、および使用方法についてわかりやすく説明していきます。

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クラスとインスタンス

インスタンスは、クラスから生成された具体的なオブジェクトです。クラスは、オブジェクトの設計図として機能し、インスタンスはその設計図に基づいて生成された実際のオブジェクトです。クラスとインスタンスの関係を「自動車」に例えると、クラスはその設計書であり、インスタンスは実際にできあがった自動車です。

プログラム上では、インスタンスはプログラムが動作する際にメモリ上に確保されます。各インスタンスは、クラスのメンバー(プロパティやメソッド)に独自の値を持ち、クラスの定義に従った動作を行います。

クラスの定義とインスタンスの生成

C#でインスタンスを生成するためには、まずクラス(=設計図)を定義する必要があります。以下は、クラス定義の基本的な構文です。

public class Person
{
    public string Name { get; set; }
    public int Age { get; set; }

    public void Introduce()
    {
        Console.WriteLine($"Hello, my name is {Name} and I am {Age} years old.");
    }
}

この定義では、Person(人)クラスのプロパティにName(名前)とAge(年齢)、メソッドとしてIntroduce(紹介する)が定義されています。Introduceの中身は、自身のNameAgeを表示して自己紹介をする内容になっています。

次に、Personクラスを実際に使用する場面でインスタンスを生成するには、newキーワードを使用します。

Person person = new Person();
person.Name = "John";
person.Age = 30;
person.Introduce();
// Hello, my name is John and I am 30 years old.

このコードでは、1行目でPersonクラスの新しいインスタンスを生成して変数personに格納し、2~3行目で変数personNameAgeプロパティに値を設定しています。最後に、4行目でIntroduceメソッドが呼び出され、自己紹介が表示されます。

コンストラクタとは?

クラスには、インスタンスが生成される際に初期化を行うための特殊なメソッドであるコンストラクタが含まれています。コンストラクタは、クラスと同じ名前を持ち、戻り値を持ちません。以下は、コンストラクタの例です。

public class Person
{
    public string Name { get; set; }
    public int Age { get; set; }

    // コンストラクタ
    public Person(string name, int age)
    {
        Name = name;
        Age = age;
    }

    public void Introduce()
    {
        Console.WriteLine($"Hello, my name is {Name} and I am {Age} years old.");
    }
}

// インスタンスの作成とコンストラクタの呼び出し
Person person = new Person("John", 30);
person.Introduce();
// Hello, my name is John and I am 30 years old.

この例では、7~11行目にPersonクラスのコンストラクタが定義され、インスタンスの生成時にName(名前)とAge(年齢)が設定できるようになっています。

クラスとインスタンスの使用例

クラスは、同じプロパティ(特徴)やメソッド(動き)を持つものを定義して使いまわすために使用することができます。インスタンスによって、それぞれのインスタンスにおけるクラスのプロパティやメソッドにアクセスします。以下に、インスタンスの使用例を示します。

public class Car
{
    public string Manufacturer { get; set; }
    public string Model { get; set; }
    public int Year { get; set; }

    public void DisplayInfo()
    {
        Console.WriteLine($"{Year} {Make} {Model}");
    }
}

// インスタンスの作成と使用
Car lastCar = new Car();
lastCar.Manufacturer = "Honda";
lastCar.Model = "NSX";
lastCar.Year = 2001;
lastCar.DisplayInfo();
// 2001 Honda NSX

Car nowCar = new Car();
nowCar.Manufacturer = "Nissan";
nowCar.Model = "GT-R";
nowCar.Year = 2007;
nowCar.DisplayInfo();
// 2007 Nissan GT-R

Car nextCar = new Car();
nextCar.Manufacturer = "Toyota";
nextCar.Model = "Supra";
nextCar.Year = 2019;
nextCar.DisplayInfo();
// 2019 Toyota Supra

この例では、Car(車)クラスが定義され、それぞれのインスタンスがnew Car()で作成されています。各インスタンスのプロパティに値を設定し、DisplayInfoメソッドを呼び出して、そのインスタンスの車の情報を表示しています。

クラスとインスタンスのメリット

クラスとインスタンスを使用することは多くのメリットがあります。以下にいくつかの主要なメリットを挙げます。

  1. カプセル化: クラスはデータとメソッドを一つの単位にまとめることができ、これによりデータの隠蔽と保護が可能になります。インスタンスを通じてのみクラスのプロパティやメソッドにアクセスできるため、データの不正な操作を防ぐことができます。
  2. 再利用性: クラスを定義することで、そのクラスを基にしたインスタンスを何度でも作成できます。これにより、コードの再利用が促進され、開発効率が向上します。
  3. 拡張性: クラスは継承を通じて拡張可能です。既存のクラスを基に新しいクラスを作成し、そのクラスに新しいプロパティやメソッドを追加することができます。
  4. コードの整理: クラスを使用することで、関連するデータとメソッドを一つの単位にまとめることができ、コードの可読性と保守性が向上します。

インスタンスの管理とusingステートメント

インスタンスの管理には注意が必要です。特に、インスタンスがメモリ上に存在する限り、そのインスタンスが占有するメモリも確保されたままです。不要になったインスタンスのメモリを解放することが重要になります。

C#では、プログラム動作中のガベージコレクション(GC)により自動的に不要なインスタンスを判別して解放するようになっています。複雑なプログラムや処理速度を安定させるためGCの動作を制御したい場合など以外は、特に意識する必要がないようにできています。

ただし、外部リソースを使用するようなDisposeが必要なクラスについては適切な破棄が必要になります。この場合にも、C#では、usingステートメントが用意されており、次の例のようにusingステートメントを使用することで、適切な破棄が実施され、メモリが解放されるようになっています。

public class FileReader
{
    public void ReadFile(string filePath)
    {
        using (StreamReader reader = new StreamReader(filePath))
        {
            string content = reader.ReadToEnd();
            Console.WriteLine(content);
        }
        // usingブロックの終わりでreader.Dispose()が自動的に呼び出されます
    }
}

次の例のように、中かっこ({})を必要としないusing宣言を使用することも可能です。

public class FileReader
{
    public void ReadFile(string filePath)
    {
        using StreamReader reader = new StreamReader(filePath);
        string content = reader.ReadToEnd();
        Console.WriteLine(content);    
    }
    // スコープの末尾でreader.Dispose()が自動的に呼び出されます
}

まとめ

C#のインスタンスは、クラスから生成された具体的なオブジェクトであり、クラスのプロパティやメソッドにアクセスするために使用されます。クラスとインスタンスの関係を理解することは、C#のオブジェクト指向プログラミングを効果的に利用するための第一歩です。クラスとインスタンスを使用することで、コードの再利用性、カプセル化、拡張性、可読性が向上し、開発効率が向上します。この記事が、C#のクラスとインスタンスについての理解を深める助けとなれば幸いです!

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この記事を書いた人
だんご丸

鉄鋼系SE歴 10年
金融系SE歴  6年
現在は音楽出版社のSE

●保有資格
初級システムアドミニストレータ
(現:ITパスポート)
基本情報技術者
応用情報技術者
情報セキュリティスペシャリスト
(現:情報処理安全確保支援士)
ネットワークスペシャリスト
情報セキュリティマネジメント
AWS認定クラウドプラクティショナー
AWS認定ソリューションアーキテクト - アソシエイト

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