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【C#】超簡単な繰り返し処理/ループ処理の解説 ~for・while・foreachからLINQまで~

C#

プログラミングにおいて、同じ処理を複数回実行する「繰り返し処理」は欠かせない要素です。特に C# では、forwhiledo-whileforeach といった豊富なループ文が用意されており、目的や状況に応じて使い分けることができます。本記事では、各ループ文の仕組みや使いどころ、注意点などを詳しく解説します。

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for ループ

for ループは、反復回数が明確な場合に最も適したループ処理です。典型的な例として、0〜nまでの数値を順に処理する際などに用いられます。構文は以下の通りです。

for (int i = 0; i < 10; i++)
{
    Console.WriteLine($"カウント: {i}");
    // カウント: 0 → カウント: 1 → ・・・
}

このコードは、変数 i を初期化し、i < 10 という条件がtrueである間、ブロック内の処理を実行し、毎回 i++ によってインクリメント(+1増加)していきます。処理回数が事前に決定できる場合、for ループはコードの可読性と保守性を向上させるための代表的な選択肢です。反復処理における開始条件、終了条件、更新処理が明示的に書かれているため、初心者にも理解しやすいのが特徴です。

while ループ

while ループは、条件式を評価して処理を繰り返すループで、条件が真の間はずっと処理を続けます。たとえば、ユーザーからの特定の入力を待つ場合など、終了条件が動的に変わるケースに有効です。

int number = 0;
while (number < 5)
{
    Console.WriteLine($"numberの値: {number}");
    // numberの値: 0 → numberの値: 1 → ・・・
    number++;
}

この例では、変数 number を初期値 0 から始め、number < 5 の間、処理を実行しています。ループ内で条件が更新されないと無限ループになってしまうため、更新処理(この場合は number++)を忘れずに書くことが重要です。特に実際の処理では、外部の状態やユーザーの入力によってループ終了条件が変化する場合も多く、その場合はループ条件の検討が必須となります。

do-while ループ

do-while ループは、最低でも一度はループ内の処理が必ず実行される点が特徴です。条件判定をループ処理の後に行うため、初回は必ず実行される仕様になっています。

int value = 0;
do
{
    Console.WriteLine($"valueの値: {value}");
    // valueの値: 0 → valueの値: 1 → ・・・
    value++;
} while (value < 3);

このコードでは、value の初期値が 0 であっても必ずループ内の処理が一度は実行されます。ユーザー入力を受け付けた後に再度処理の継続を判断するシナリオや、必ず一度は結果を出力したい状況などに適用できます。ただし、処理の実行の意図が読み手に誤解されないよう、使用場面を明確にしておくことが重要です。

foreach ループ

C# の foreach ループは、配列やリストなどのコレクション内の各要素に対して、順に繰り返し処理を行うための非常に便利な方法です。以下は、リスト内の各値を出力する例です。

List<string> fruits = new List<string> { "りんご", "ばなな", "みかん" };
foreach (string fruit in fruits)
{
    Console.WriteLine(fruit);
    // りんご → ばなな → みかん
}

このコードは、fruits リストの各要素を順番に取り出し、変数 fruit に代入して処理しています。foreach は、インデックス管理を自動化してくれるため、ループ回数の誤りなどのミスを防げると同時に、要素の増減に対応する柔軟性もあり、コーディングの生産性を向上させます。特に、配列やリストの全要素に対して処理を加えたい場合は、for ループよりも自然な記述となります。

多重ループと複合的な制御

現実のプログラムでは、一つのループ内でさらに内側にループを持つ「多重ループ」がよく利用されます。例えば、2次元配列の要素を走査する際には、外側のループと内側のループを組み合わせるケースが挙げられます。

int[,] matrix = new int[3, 3]
{
    {1, 2, 3},
    {4, 5, 6},
    {7, 8, 9}
};

for (int i = 0; i < matrix.GetLength(0); i++)
{
    for (int j = 0; j < matrix.GetLength(1); j++)
    {
        Console.Write(matrix[i, j] + " ");
        // 1 2 3 → 4 5 6 → 7 8 9
    }
    Console.WriteLine(); // 改行
}

この例では、2次元配列 matrix の行と列をそれぞれ for ループで回し、各要素を出力しています。多重ループは処理が複雑になる場合も多く、ループの抜け出し条件やパフォーマンスについて十分な検討が必要です。無駄な反復を避けるため、ループ内での処理を可能な限り最適化する工夫も求められます。

LINQ とループの代替表現

C# のもう一つの魅力は、LINQを使ったデータ操作です。LINQ はコレクションに対する処理を宣言的に記述でき、場合によっては従来のループ処理を置き換えることができます。

たとえば、以下のコードはリスト内の偶数だけを抽出してソートする処理を示しています。

List<int> numbers = new List<int> { 5, 2, 8, 3, 9, 4 };
var evenNumbers = numbers.Where(num => num % 2 == 0).OrderBy(num => num);

foreach (var num in evenNumbers)
{
    Console.WriteLine(num);
  // 2 → 4 → 8
}

この例では、Where メソッドで条件に合致する要素のみをフィルタリングし、OrderBy で昇順に並び替え、その結果を foreach ループで出力しています。LINQ を利用することでコードの可読性が向上するとともに、複雑なデータ操作をシンプルに記述することができます

LINQについてもっと知りたい方は、本サイトの以下の記事でも解説していますので是非ご確認ください!

パフォーマンスとメモリ管理の考察

ループ処理は一見単純に見えますが、非常に大規模なデータを扱う場合はパフォーマンスやメモリ管理に大きな影響を与えます。このため、以下のような工夫が必要になります。

  • 不要なループの削減
    ループの中で繰り返し計算やオブジェクト生成を避け、必要な計算結果はループ外で一度だけ求めるなどの工夫が求められます。
  • ループ内の条件チェック
    条件判定が複雑な場合、ループの初回にあらかじめ設定できる条件やキャッシュ可能な値はループ外に出すとパフォーマンスが向上します。
  • コレクションのサイズに注意
    多数の要素に対してループを実行する場合は、事前にコレクションのサイズをチェックし、効率的なアルゴリズムや計算方法(分割統治法など)を検討する必要があります。

これらの工夫は、特にリアルタイム処理や高負荷が予想されるシステムにおいて重要です。現代のハードウェアは高速化が進んでいるものの、無駄な反復処理は最終的にシステム全体の応答性に影響を与えるため、常に最適化を意識しましょう。

ループの例外処理と安全な終了

ループ処理中に例外が発生する可能性も考慮すべきです。例えば、配列のインデックスが範囲外になったり、外部リソースへのアクセスで例外が起きた場合、適切な例外処理(try-catch)を実装して、システムの安定性を確保する必要があります。以下は例外処理を組み合わせたサンプルです。

string[] names = { "Alice", "Bob", "Charlie" };

for (int i = 0; i <= names.Length; i++) // 注意: 正しくは i < names.Length
{
    try
    {
        Console.WriteLine(names[i]);
    }
    catch (IndexOutOfRangeException ex)
    {
        Console.WriteLine("配列の範囲外を参照しました: " + ex.Message);
    }
}

ここでは、間違った条件設定による例外発生をキャッチし、システム全体のクラッシュを防止しています。ループ処理におけるエラーハンドリングは、堅牢なアプリケーションを開発するうえで極めて重要です

さらに高度な活用例

実際のアプリケーション開発では、ループ処理はデータベースからのデータ取得、ファイル操作、ネットワーク通信など幅広い領域で利用されます。また、非同期処理(async/await)や並列処理(Parallel.For、PLINQ)と組み合わせることで、より高速かつ効率的なコードが実現可能です。たとえば、大量データの解析処理においては、以下のように Parallel.For を利用することで、CPUリソースを最大限に活用できます。

int[] largeArray = Enumerable.Range(0, 1000000).ToArray();
Parallel.For(0, largeArray.Length, i =>
{
    largeArray[i] *= 2;
});

このように、C# の繰り返し処理は単に反復を行うだけでなく、状況に応じたさまざまなテクニックや高度な機能と組み合わせることで、プログラム全体のパフォーマンスや可読性を大幅に向上させることができます。ループの特性を正確に理解し、適切な選択を行うことは、優れたコードを書く上での基本と言えるでしょう。

まとめ

C# における繰り返し処理は、forwhiledo-whileforeach といった基本的なループから、LINQ や並列処理といった応用まで、その用途や目的に応じて多彩な方法が用意されています。

  • for ループは、事前に反復回数が分かっている場合に最も基本的で扱いやすい。
  • while ループと do-while ループは、条件に応じた繰り返し処理を柔軟に行うために最適。
  • foreach ループは、コレクション全体の処理を簡潔に記述でき、エラーを減らすメリットがある。
  • LINQ や並列処理と組み合わせることで、より現代的なプログラミング手法が実現できる。

日々進化する C# の世界では、新しい機能やライブラリが次々に登場し、開発者の生産性を向上させています。これらのループ処理の基本をしっかりと押さえた上で、実践的な応用技術を磨いていくことが、より良いコードを書くための第一歩となるでしょう。

本記事が、皆さんの C# プログラミングスキル向上の助けとなれば幸いです。プログラミングの世界は常に広がっており、無限の学びがあります。引き続き、最新の技術動向や実践例、そして個々のシナリオへの応用例について探ってみると、さらなる発見につながることでしょう!

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この記事を書いた人
だんご丸

鉄鋼系SE歴 10年
金融系SE歴  6年
現在は音楽出版社のSE

●保有資格
初級システムアドミニストレータ
(現:ITパスポート)
基本情報技術者
応用情報技術者
情報セキュリティスペシャリスト
(現:情報処理安全確保支援士)
ネットワークスペシャリスト
情報セキュリティマネジメント
AWS認定クラウドプラクティショナー
AWS認定ソリューションアーキテクト - アソシエイト

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